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1行あれば
あいかわらずチビリチビリとリリーフランキーの「東京タワー」を
仕事が終わった夜更けに読む。
早く読むのがもったいない、といった風だ。

そして本を閉じると、またオビに目が行く。
そこにはいろんな人が、多くの字数を費やして、賛辞を送っているのだが。

やはりこの1行、

矢沢永吉「成りあがり」以来だね、友達に読んでほしいと思う本。

という1行が群を抜いて素晴らしいと思う。
仲畑貴志という優れたコピーライターにとって、
1行あれば十分なんだろう。

作為的でありながら、決して文学的にならないこと。
すぐそこにあるコトバだけを使って書くこと。
これが70年代の優れたコピーライティングの鉄則であったと
いまにしてぼくは思うんだけど、このオビのなかでも「文学的」でないのは、
この人のコトバだけなのだよ。

人はどうして、文を書くと「文学的」になってしまうんだろうか、
なんて、理由はもちろん、コンプレックスだよね。
by nahkid | 2006-01-23 03:28 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(1)
Commented by がまくん2006 at 2006-01-30 21:54 x
nahkidさん,
トラックバックありがとうございました。
ぎゅっと凝縮された強い思いは,淡々とした言葉にこそ,こめられているのかもしれませんね。
nahkidさんのすきっとした文体,いいですよね。
わたしも,「東京タワー」読んでみたくなりました。

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