北海道の人は、東京へ来るとなぜすぐ風邪を引くんだろう。
ぼくが初めて、広告のコピーというものを意識したのは、コレだった。
とくに職業意識で、というのではなく。

何の広告だと思いますか?

グラスウールという断熱材です。
1975年の電車に貼ってあった。
当時、北海道以外で断熱材は使われていなかった。

ものすごくまっすぐなコトバづかいで、
広告臭も、まして文学臭もない。
だから、すっと目に飛び込んできたんだろうと思う。

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誠文堂新光社発行「名作コピー読本」より
スペックの表現化の項。コピーは西村佳也氏

シリーズ広告で、

家が厚着をすれば、人間は薄着になる。

原子力発電所21カ所分の
でっかい節約。

あなたの家は、閉め忘れた冷蔵庫みたいなもんだ。


と、こんなのがもっとたくさんある。
できがいいな、と思う。
ぼくは広告にもかかわってきたけど、ついぞこんなレベルの
コピーは書けたことがない。

フリーになったとき、始めからぼくは逃げ腰だった。
この年(35歳)で、これからこの人たちと競争をしても
かなわないな、と思ったから、彼らとは少し身をずらしたのだった。

作為を感じさせないことほどむずかしいことは
ないのだよ、とそれぐらいはわかる能力はあったのだ。

当時、こういう才能がどんどん出てくるんだろうな、
と、実はけっこう思い違いをしていたのかもしれなかったのだが。
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by nahkid | 2006-01-24 03:17 | 日々の雑感


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