(またまた勝手に拝借)
広告にはキャッチフレーズとともにボディコピーがある。 このボディコピーというものは、あまり読まれていないのかも知れない。 しかし、ぼくが一人でコピーの勉強をしていた頃、 優れた広告のボディコピーのうまさに舌を巻いたものだ。 誠文堂新光社刊「名作コピー読本」(鈴木康行著) コピー糸井重里 アートディレクション浅葉克己 このキャッチに続くボディコピーの最初のほうは、以下。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「女の時代」という言葉は、すっかりなじみの 深いものになってきましたね。もともと、 これは、あまりに長く続いた男性中心の社会 に対する「?」として誕生してきた言葉です。 男性がいる。そして同じ数の、同じように 大切な女性がいる。この当たり前の事実を、 社会がやっと真剣に考えるようになってきた。 だから、「女の時代」は、まだやっと幕が 開きかけたところ、ほんとうのものにする ためには、この言葉を支え、育てていく 多くの手が、知恵が、しくみが必要なはずです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これが百貨店の宣伝文句なんです。 もう一つ、別の百貨店の宣伝です。 なぜ年齢を聞くの? なにも女性だけではなく。 男だって、年齢を聞かれるのは あまり気持ちのいいものじゃないんだ。 女の、そして男の、生きていく姿、 それをすぐ年齢というハカリにのせて 見たがる習慣に、抗議したいと思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (右の広告の前半部分を抜粋) コピー土屋耕一(ADも) 出典:同上 百貨店にまだ元気があった70年代後半の広告。 どっちのコピーからも当時の都市の勢いと華やかさが伝わってきます。 なんか写真やデザインもいいよね。 よい広告は、時代の空気を伝えるものなんだということが よくわかります。 そして、文学でもないジャーナリズムでも、評論でもない、 しかし研ぎ澄まされた表現をこれらのライターたちが 確立しようとしていたこともよくわかる。 広告という、俗な、生活に紛れ込んだジャンルで。
by nahkid
| 2006-01-27 02:14
| 日々の雑感
|
Trackback
|
Comments(2)
仲畑貴史さんの「課外授業 ようこそ先輩」をみて,検索したらこのサイトにヒットしました。はじめまして。コトバノチカラ探検隊のがまです。
nahkidさんのサイトってさすがセンスいいですね~ 「なぜ 年齢をきくの」のボディコピーってすごい!ですね。 先入観,思いこみ,ステレオタイプって,ものの考え方や見方,定義になんの疑問も持たないある意味の「怠慢」から生まれるのだとおもいます。 安易にそんなことばをつかうことで,わかったつもりになってしまうというか,思考停止に陥るというか。 コピーは,そういう思考停止状態に,ドカンと,ズバっと,そしてグサリと,風穴を開ける「痛快なもの」だと思ってます。 何か課題を持っているとき,アンテナを張ってると,そのときの自分に必要なことばが,飛び込んでくる。そんなことがよくあります。 CM大好き,広告大好き,本大好き,読書大好きのわたし。ことばのプロのサイトだ,わ~い\(*^0^*)/状態です。 がま的こだわりをもって,ことば探検してますので,どうぞよろしくおねがいします。またきま~す。m(_ _)m
0
Commented
by
nahkid at 2006-01-30 21:46
がまくん2006さん、ご訪問&お褒めの言葉、ありがとうございます。ここで挙げたのはちょうど30年前の広告なんですよ。なんか言葉も写真もデザインも古い感じがしないのが不思議、というか、ぼくが進歩していないんでしょうかね~。
|
by nahkid
blog管理者
林ナオキ フリーランスの エディター・ライター 横浜市在住 ●ご連絡、ご感想はComments欄にお願いします。管理人だけに見える非公開書き込みもできます。書き込み時に要求されるパスワードは、コメント送信後に自分で削除するときに必要なもので、適当な半角英字か数字でいいようです。 ●トラックバックについて スパム対策のため、文中にこのブログへのリンクがないものは受け付けない設定(exciteブログのぞく)にしておりますので、ご了承ください。 お気に入りブログ
カテゴリ
以前の記事
最新のトラックバック
ライフログ
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||