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クライアントは自分
これから就職をする若い諸君は、
会社というものは、
きわめてピラミッド的な組織になっていて、
などと想像しているし、
実際とっくに社会に出ている中年だって、
会社というものは、そういうもの、
という認識しか持たない人はざらにいるんだろうな。

しかしまー、ヨソの国のことはわからないが、
ニッポンの会社がみんなそういうものだと思ったら、
違うよ、それは。
そういうのは、一定以上の規模の会社だけ。

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その募集のページを読むと、
この会社には「上下関係がありません」と書いてある。
会社こそ上下関係の権化、みたいに思っている人は
多いと思うのだけど、それは違うのよ。
それはそういう会社しかイメージしていないから
そう思うのであって、世の中の会社には
上下関係などないに等しいところはいっぱいあるのよ。
(にしたって、もちろんオーナーはいるよ。)

ただ、ふつう、こうはっきりとは言わない。
この会社がこう言い切るのは、
オーナーが意識的にそうしているからだよね、方針として。
ロジックを重んじる、いいオーナーなんでしょ(たぶん)。
零細企業というのはオーナーの人柄や考え方が
ものすごく影響しますから。
それに大体が、感情的なオーナーが多い(ように思います)。
それがこういう零細企業のガンになるものなんです。

もう一つ、この会社の特徴として挙げられているのは
「クライアントは自分たちです」ということ。

こういう零細企業で、自分たちがクライアント、
というのはふつうはありえないので、
これはうらやましいな。
これは、このオーナーがそもそもそういう会社を
目指したからなんだよね。
お金を儲ける、がキホンではなく、
自分がクライアントになる、ためにつくった会社だから。
(こういう会社は、少ないです。アチコチにあると思ってはいけない)

というか、これって何かをなす際の理想だよね。
他人に注文されるのは、うれしいものだけど、
それを遂行するにあたっては当然だけど、
発注者の意向を重んじなければならない。
自分の好きにやるためには、
自分で自分に発注するしかないのだから。

クライアントは自分。

ぼくにとって、このブログはそうですけどね。
それはもう、きわめて快適ですよ。
(明日から帰省。でも携帯で更新します。
というか発注者である自分が、そうしろ、と言っているんで。
読んでください)
by nahkid | 2006-08-13 02:39 | 日々の雑感 | Trackback | Comments(0)
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