今朝の朝日新聞beが小津安二郎を採りあげていました。
その中で「東京物語」の最後の原節子のセリフをクローズアップしていました。 亡くなった次男のことなど忘れて、お嫁にいっておくれ という舅(もちろん、笠智衆)に 「いいえ、あたくし、おっしゃるほどのいい人間じゃありません。そうなんです、わたくし、ずるいんです」 (夫のことばかり考えているわけじゃない) 「ずるいんです」を繰り返す。 いいシーンですよね、ぐっとくる。 そりゃ、ま、ふつうに聞くと、やはり女としてのあれですね、そのま、性的なこともありますからね、みたいな。 それを抑えに抑えた原節子で表現した、とぼくなんかもふつうに受け止めていましたが。 それでは狭すぎないか、と言う人も少なくないみたい。 小津が戦争で生き残った自分に対する責める言葉を原節子に託したのだ、 と、思うようになった、とは山田太一。 うん、それもあるかもしれないね。 こんど見直すときに、考えてみよう。 というわけで、お昼前からこの記事を読んでいるだけで、しみじみしてしまったんですよ。 まー、小津安二郎が好き、としかいいようがないですね。 DVDBOXを4箱持っていますからね~そりゃあ、好きなんでしょうね。 なぜ好きかは、説明ができないですね、自分に対しても。 でも研究者やフリークでないことは確かですね。 全部きちんと見てるわけでもないし。そういう強迫観念もないし。 たぶん、好きなのは小津安二郎そのものではなく、小津安二郎的なものではないか、 そんな気がします。 その、「的」なところが説明できない、というか、自分でもわからない。 的なものが好きなのだ、というほうが、ぼくにはずっと大事なような気がするんですけどね~ きっと、なにか救いのようなものなのかしら? だから小津でなくてもよいんです。 ひょっとしたら昨日アップしたキースの動きも同じかも知れない。 DVDを見ながら考えてみましょう。だって一生分ある(^_^;)
by nahkid
| 2009-08-02 01:41
| 映画
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